開店宣言

 消費社会に幽霊が出た。非実用品という幽霊である。目玉史上、彼らにピントをうまく合わせられた目玉はおらず、彼らは物体(オブジェ)やガラクタ、ゴミと見誤られていた。実用/生産性第一主義のけたたましい喧騒の中で、直されることもなく打ち捨てられ、あらゆる繋がりから断ち切られた極限の危機下にあって、しかし幽霊たちはその姿をおぼろげに現し始めた。

 さて、非実用品の論理は明かされつつあるが、この論理を単に満たしただけのものを以て幽霊発見と喜ぶのであればそれは霊視の目玉ができあがっていない証しである。正体不明のものに魅せられた直観がまずあって、よく眺めるとそれが非実用品であったというのが事の次第なのだ。非実用品店めだかは実用性と非実用性のはざまで右往左往しているものを揃え、幽霊たちはこのはざまであなたの目玉を媒体にしてぼんやりと浮かび上がってくるのである。

スケベ犬

時は2020年、実用と非実用の黄昏時、京都に非実用品店めだか

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